君と見た一番星はキラキラして綺麗だった!

帰り道、ふと見上げた空に、ひとつだけ光っていた。

まだ完全には暗くなりきっていない、紺色とオレンジが混ざり合う夕暮れの境目。

その中で、あの星だけがやけに強く輝いていて、思わず「あ、一番星」と君は声に出していた。

足を止めて、同じ方向を見上げてくれた。

こんなに大きく見えるのは冬だからかな?

空気が澄んでいるとか、湿度が低いとか、そんな理由を聞いたことがある気がする。

君は何か、一番星について豆知識を話していた気がする。

「あれは実は星じゃなくて惑星なんだよ」とか、「金星は明けの明星とも呼ばれていて」とか、そんなことを言っていたような——いや、違ったかもしれない。

君の声のトーンは覚えている。少し得意げで、でも押しつけがましくなくて、聞いていて心地よかった。それなのに、肝心の内容が関東の空は思い出せない。

けど、何も思い出せない。

ちゃんと覚えておきたいのに覚えられない。

あの時、君の姿を盗み見ることに必死だった。

次に一番星を見たらまた教えてくれるかな。